東京クリッピング private 3

将来の自分のための備忘録 東京のあちこちでみてきたモノ・コトの記録を中心に 2012年4月から

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ピーチャム・カンパニー「美しい星」@目黒

フェスティバル・トーキョー公募プログラム、ピーチャム・カンパニーの「美しい星」を見てきました。

構成・演出で代表の川口典成氏が東大大学院で宗教学宗教史の修士課程に在籍中というプロフィールが気になって見ることにしたのでした。
原作は言わずと知れた三島由紀夫の異色作。今まで読んだことがなかったのだけれど、予習のつもりで読んでみたら、エンターテイメントとしても楽しめ、戯画化されたキャラがいかにも演劇向けな感じで舞台への期待も高まりました。

仕事の後、目黒駅からバスに乗り目黒郵便局向かいのホテルCLASKAへ。8Fのギャラリーが会場です。
ステージを横断して客席へ。柱があったりして不定形のステージにL字型に客席が組まれていますが、30人分くらいしかイスが用意されていなくてびっくり。間近で演技が見られます。

坊主頭にヒゲの2人組みが狂言回しの役割をするメタ演劇(?)風の演出。2人組みは「ゴドーを待ちながら」からの援用らしいですね。知らないけど。
ストーリーは原作に忠実に進み、最後の川崎の場面まで2時間を飽きずに見ることができました。宇宙人一家の4人はそれぞれ演技力のある役者さん。仙台の3人組は期待通りにカリカチュアライズされ、所狭しと暴れまくります。
この三島作品をいま上演することへの難しい思想があるようだけれど、そういうのは浅学な自分にはよくわからず、演出は刺激的でかっこいいし、30人しか客をいれない先鋭的なステージを体験できたことが素直に楽しかったです。

エピローグは屋上へ移動。東京の喧騒がばっと広がって冷たい風も気持ちいい演出。
さらに元のステージに戻りトークセッション。立教大学兼任講師・文化政策研究者の梅原宏司氏をゲストに川口氏と製作の森澤友一朗氏の3人での三島についてのお話を聴衆10人くらいで聞くという贅沢な時間。
おしゃれなホテルで貴重な演劇経験をいたしました。