東京クリッピング private 3

将来の自分のための備忘録 東京のあちこちでみてきたモノ・コトの記録を中心に 2012年4月から

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「文学」から離れて文学を考える —「事実」と「フィクション」の間@実践女子大学 創立120周年記念館

10月15日 土曜日
しばしば訪れている国学院大学のすぐそばにある実践女子大学大学に初めて行きました。学祭をやっていて賑やかな校舎で、文学部英文学科の公開講座。4人の講演の後、パネルディスカッションというプログラム。

まず、実践女子大学教授の島高行先生の「『ガリヴァー旅行記』の修辞学と政治学」。スウィフトの生きた18世紀イギリスの時代背景とか、ストーリーや設定に含まれるメタファーとか、全然知らなかったことばかりで、一度きちんと読んでおかなきゃと思いました。

次に、評論家/ジャーナリストの武田徹先生による「開高健ベトナム戦争」は、開高健ルポルタージュを書き、発表するにあたって、どのような気持ちの逡巡があり、発表作品に反映されたかという話。

それから武内進一先生による「21世紀のコンゴ民主共和国で『闇の奥』を読む」。武内先生は日本貿易振興機構アジア経済研究所地域研究センターのセンター長という方で、フランス語圏アフリカ研究の権威のようです。
ベルギー領コンゴ/コンゴ民主共和国の歴史とコンラッドの「闇の奥」という作品について、大変興味深いお話をしてくださいました。帰ってから、早速「闇の奥」の新訳をアマゾンで購入。

最後に実践女子大学准教授の土屋結城先生による「こぐまとしての移民-『パディントン』から見る現代イギリス」。映画版の「パディントン」を題材に、イギリスにおけるカリブ海からの移民の歴史などを教えていただき、なんでイギリスからレゲエやスカのバンドが出てくるのかやっとわかりました。ノッティングヒルカーニバルにも行ってみたい!
パディントンって企業の宣伝に使われているキャラクターという程度の認識だったのですが、原作の児童文学があったのですね。これもさっそくアマゾンで購入。映画もツタヤで借りて見て、この講演のおかげで作品世界をより楽しむことができました。

土屋先生の講演の後、ひな壇に先生達が並んでのパネルディスカッションだったのですが、時間も短く不完全燃焼気味。
でも、どの演題も25分ずつじゃ物足りない深い内容で、30人位の聴衆相手じゃもったいなかったな。
国学院大学の常盤松ホールみたいなところで、それぞれ1時間半くらいたっぷりやってもらいたいです。